サイバー社会用語集

サイバー社会用語集

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出版社
原書房
著者名
一田和樹 , 江添佳代子
価格
1,650円(本体1,500円+税)
発行年月
2020年3月
判型
B6
ISBN
9784562057443

本書では主にサイバー関連の用語を中心にとりあげている。扱っている話題は人物、事件、概念など多岐にわたる。いずれも技術解説書ではあまり見かけることはないが、新しい時代を知るために必要な言葉である。たとえば「黒人人権運動(Black Lives Matter)」は一見するとサイバー用語でもないし、サイバー事件でもない。しかし、アメリカで起きた「黒人人権運動」は全土に飛び火し、各地の警察がSNS監視ツールを導入するきっかけとなった点で重要だ。
「RT」や「スプートニク」はいずれもロシアのメディアであり、やはりサイバーと関係ないように思える。しかし、このふたつはロシアが世界に対して行っているネット世論操作の重要な武器となっている。スプートニクには日本語版もあり、ふつうのニュースサイトと勘違いして引用して拡散している日本人も少なくない。
 サイバー用語であっても、あまり耳にすることのない言葉も多い。「ネット世論操作産業」は世界中に広がっており、その最前線を走っているのは社会インフラとしての監視システムを提供しているファーウェイやZTEである。これらの企業が社会インフラを提供した国のマーケットに参入しようとする企業は、嫌でも彼らのシステムとの互換性あるいは相互運用性を考慮しなければならない。それは民主主義を信奉する「完全な民主主義」の国から見た場合、民主主義を否定しかねない行為であり、人権侵害を支援する行為に映る。しかし経済便益のためにはやらざるを得ないと考える経営者や政治家もいるだろう。もはやサイバー技術を単体として語れる時代ではないのである。
 本書を読む前に、技術で語れるのはサイバーのごく一部に過ぎないことを知っておいていただきたい。プロローグのクイズでご紹介したように、サイバーとはあまり関係がないように思われる分野もサイバーから大きな影響を受け、変容している。本書では、そうした社会の変容につながる言葉と、その背景となった事件を選んで解説する。(「本書の立場」より)

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