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本書は、K・マルクス「価値論」の科学的方法を、内在的総体的歴史的弁証法によって理解するために編著したコンメンタールです。
その価値論は、G・W・F・ヘーゲルの客観的観念論における弁証法を、唯物論的に正立させた方法を用いて、 商品価値生成の必然性を証明したということが、しばしば、マルクスの文言を無批判に引用して語られてきました。しかし、それらの指摘は、部分的分散的にお喋りしただけのものにすぎませんでした。けれども、断片的な知識を寄せ集めただけでは、マルクスの体系的な方法を理解したことにはなりません。ですから、このような状態を脱却して、その方法を総体的に理解するため、かの価値論を、ヘーゲル哲学と対比させ、検討したうえでデータを整理しました。
研究史上初めて成し得たこの作業結果は、これまで体系的に論述されたことのない弁証法的唯物論を、弁証法的唯物論によって論述することに繋がるものと確信しています。
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