本書は、日本の行政の制度と運営について、主に海外からの読者向けに概観するものである。第1部「日本の行政の制度と運営の基本」と第2部「日本の個別政策分野のケース・スタディ」の二部構成である。
第1部「日本の行政の制度と運営の基本」では、日本の政策決定の制度と過程を概観するとともに、戦後の行政改革について橋本行革と小泉構造改革を中心にその手順と手続について分析している。
第2部「日本の個別政策分野のケース・スタディ」においては、いくつかの政策分野における制度の概要と最近の改革についての分析を提供する。消費者行政、郵政民営化、科学技術行政の制度変遷と政策課題、近年の医療保険制度の改革、農業政策の基本構造と近年の改革、環境行政、地方公共団体の環境行政への市民の関与、世帯調査結果に基づく地方環境行政における市民の役割、電子政府への取組、国連平和維持活動への日本の貢献、政策評価制度という具体的な政策分野についての基本構造と最近の動向が網羅されている。
本書は2009年9月に総選挙で大勝した民主党を主体とする政権誕生の直前に記述されたものであるが、英語で記述されることの少ない日本の行政の制度と運営の基本について、海外からの読者の理解の深化に資することを願うものである。
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