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「中世は武士、そして鎌倉新仏教の時代である」。誰もが教科書で知るこうした歴史像は、決して正しいものではなかった――。
強靱な論理力と斬新な学説で中世史の構図を一変させ、「武士階級発展史観」にもとづく中世理解に鋭く修正を迫った黒田史学。「顕密体制論の立場」「「院政期」の表象」「中世における武勇と安穏」「「中世」の意味」など、その精髄を示す論考を収めた不朽の名著。解説=平雅行。
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黒田氏の論考は、私たちが懐いている歴史像のゆがみを、白日のもとにさらけ出す力をもっている。神話とは古事記や日本書紀だけの話ではない。私たちは今なお神話の時代を生きている。そしてゆがんだ神話が、さまざまな形で現代社会を拘束し、私たちの意識にも大きな影をおとしている。こうした現実への批判意識が、神話的歴史像の解体へと黒田氏を駆りたてつづけた。氏の研究は、学問のための学問から最も遠いところにある。私たちは氏の諸論考から学ぶだけでなく、何よりもその学問的姿勢を継承しなければならないはずだ。(「解説」より抜粋)
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※本書の「解説」は、2001年に法藏館より刊行いたしました『増補新版 王法と仏法:中世史の構図』に収録の「解題」をもとに、近年の議論を踏まえ、大幅に改訂したものです。
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