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ロールシャッハ法の長所と限界を巡る多くの議論の中で,包括システム(CS)が,ロールシャッハ法そのものと同一のように論じられ,結果として,CS以外にもスコアリング法が存在するという事実には目を向けられなくなってしまった。
このような事柄を踏まえ,本書の編者らは,CS以外のさまざまなスコアリング法と解釈に焦点を当て,充分な妥当性のある一級の研究を示すことで,ロールシャッハ法の研究は批評家が認めているよりも広汎なものであるという事実を明らかにしている。
各章では,思考障害指標,対象概念尺度,口唇依存尺度,一次過程尺度,Lernerの防衛尺度,Klopferの予後評定尺度,Barrier-Penetrationシステムといった個別のスコアリング法について論じられている。かつて,さまざまな原典に散在していたこれらのスコアリングと解釈のガイドラインは,その多くが今はもう読むことができない。
臨床家や研究者はこの一冊を読むことで,ロールシャッハ法への7つのアプローチに触れ,ロールシャッハ法の研究と実践のさらなる発展に役立てることができる。
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