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「もしも発問」で、子どもが自然と学びだす
○今日の授業で、子どもにどのような力が付いたのかはっきりしない
○教師が教えたいことを押し付けた授業になってしまっている気がする
○内容理解以外の、表現技法などをうまく扱うことができない
国語の授業で、このような悩みを抱いたことがある人は少なくないでしょう。
子どもにどんな本でも読みこなせる力を付けつつ、自ら進んで学ばせるようにするのは、なかなか難しいことです。
そのような課題を解決すべく、本書では「もしも発問」による授業づくりをまとめました。
「もしも発問」を取り入れることで、指導したい内容をしっかりと教えながら、子どもが自然と学びだす授業にすることができるのです。
「もしも発問」とは?
本書で紹介する「もしも発問」とは、「もしも、○○だったら?」と、実際の文章とは異なる場合を「仮定する」発問のことです。
例えば、子どもが自分では着目しにくい「はじめ」「中」「おわり」の文章構成を教えたいとき、
「最初と最後の段落は、なぜあるのでしょうか」と発問したり、
「それぞれ『はじめ』『中』『おわり』と言います」と解説したりしてしまいがちです。
しかし、「もしも発問」では、
「もしも、最初と最後の段落がなかったとしたら?」と「ある」ものを「ない」として仮定し、子どもに気付きをもたせるように仕向けます。
このように問うことで、子どもは文章全体について検討する必要に迫られ、自ら新たな学びを発見する機会をつくることができるのです。
「仮定する」という方法は、一見、遠回りをする手立てに見えますが、実は子どもの達成感や学びがいの実感につなげるのに効果的な方法なのです。
「もしも発問」は、5つの方法に分類することができます。
①「ある」ものを「ない」と仮定
(もしも、○○がなかったとしたら?)
②「ない」ものを「ある」と仮定
(もしも、○○があったとしたら?)
③別の場合を仮定
(もしも、○○が◇◇だったとしたら?)
④入れ替えを仮定
(もしも、○○と◇◇が入れ替わっていたとしたら?)
⑤解釈を仮定
(もしも、○○と考えたとしたら?)
それぞれの方法を理解し、使い分けることで、「もしも発問」の威力は増すのです。
「もしも発問」で明日の授業が変わる
本書では、「もしも発問」をすぐに取り入れ、その効果を実感していただけるように、多くの実践事例を示しています。
第2章では、令和2年版の国語教科書に即し36教材を用いて、具体的な「もしも発問」の取り入れ方と、「もしも発問」を生かした授業展開を紹介、また、付録として1学年12発問・計72の発問を掲載しています。
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