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万葉集に「紫」を読み込んだ17種の歌を考察し、その「紫」の歌がなぜ恋情発想をとるのか。著者はその歌のもとに、男女和合の饗宴〈薬狩り〉=成人戒をみる。また同じく万葉集に「榛(はり)」(はんのき)を読み込んだ歌である「近江遷都歌」のモデルに大和・三輪地方の古歌をみる。それはさらにさかのぼり、古事記・雄略記の「赤猪子伝承」にたどる。本書は、万葉集などの「色衣」の歌から、古代の民衆の習俗・神話を探る論考である。
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