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命まで取られねえから、攻めるときは攻めろ。 迷いを断って大勝負!
のどか屋の千吉は十六歳。顔は幼いが料理は大人の味。
惹かれる手伝い娘おように他所から急な縁談が……。
迷った末に出した決意は?
のどか屋の常連、幕府黒四組のかしら安東満三郎が千吉らの前で言った──。
おれも女房に声をかけるとき、迷った末に前へがっと進んだ。おれから声をかけたんだ。
習いごとの帰りによくすれ違ってたから。あん時に吹いた風をまだ憶えてる。風が背中を押してくれたような気がした。
ここを逃して、そのままべつべつの向きへ歩いて行ったら、もう縁はねえと思った──。
************************本書に登場する小料理 ****************************
・鰯の雪花菜和え ・油揚げのどか丼 ・大根のほっこり蒸し
・海老三色煮 ・牡蠣の柚子釜づくり ・金目鯛紅白鍋 ・寒鰤の味噌照り焼き
・鯖の味噌煮 ・寒鰈の三種盛り ・柿釜
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◆ 著者について
倉阪鬼一郎 くらさか・きいちろう
1960年、三重県伊賀市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。印刷会社勤務を経て1998年より専業作家。
ミステリー、ホラー、幻想、ユーモアなど、多岐にわたる作品を精力的に発表する。
2008年「火盗改香坂主税 影斬り」(双葉文庫)で時代小説家としてデビュー、好評を博す。
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