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海を越えた山びこ学校
中国では、毎年800万人が大学に入学し、都市部ではほぼ「大学全入時代」が訪れていると言っていい状況であるが、地方では全く事情が異なる。むしろ進学どころか就学さえ困難な現実が厳然と横たわっている。昨今よく語られるようになった大国の光と影の問題である。
辺境の島にある海南大学は国立大学ではあるものの、決して一流校とは言えず、そこに集まってくる学生は文字通り「未完成」でピュアな若者である。誤解を恐れずに言えば、どこかあの『山びこ学校』の雰囲気が漂っているのである。この大学で教鞭を執ることになった著者はこう語っている。
「ここは紛れもなく最下層の大学で、そこにやってくる学生たちのほとんどが最下層の出身者である」
本書には、初めて列車に乗った学生や初めて海を見た学生が数多く登場する。そうしたさまざまな出自の学生と詩人でもある著者の相互交流、そして彼らを取り巻く社会の現実が、時を経ていかに変容していったのか。また過酷な状況のなかで「もっと純粋でいたい」と叫んだ学生は自分の運命といかに対峙することができたのか。
本書は淡々とかつ温かな眼差しで事実を一つひとつ綴っていく。中国を深い感動で包んだ一冊。
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