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動物の心の理解に対する科学的進歩は著しく、たとえば動物園や水族館に展示されている動物に対する配慮あるいはケアに大きな変化をもたらしている。類人猿、ゾウ、イルカなどの動物は頭脳が優れているだけではなく、内面的な世界や社会的な生活が複雑にあり、人間はそれに応じて行動する必要があるということが一般的にも徐々に理解されてきている。一方、動物と最も親密に関係する食卓においては、それらの進歩はいまだ大きな存在感を現していない。食肉の消費量は増えつづけており、先進国の大半の人々にとって肉は食事の中心にある。本書において、著者であるバーバラ・J. キングは、私たちの肉食について熟考し、それを減らすことができるのかどうかなどを考察している。動物を擬人化するものでも、食事のあり方を論争するものでもなく、著者の関心は私たちが食べる動物の個性を見つめ、心と命について知ろうとすることだけである。肉を食べるための適切かつ倫理的な姿勢とは何か? どのように食料を選択して、倫理的かつ生態学的に健全な生活を送るべきなのか? 私たちが食べる動物の世界に考えをめぐらし、これらの厄介な質問について考察していく。
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