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妊娠34週、子宮内胎児死亡。
もう少しで産まれるはずだった娘「小夏」を死産した。
死産前夜から宣告の瞬間、心臓を止めた赤ん坊の出産。赤ん坊がこの手にいない産褥期、夫婦で耐える日々。新生活の準備が整っていた部屋で否応無く始まる日常、そして夫と二人で抱える孤独。
「私」の手元にそのとき有効なお手本はなかった。どうすればこの難局を切り抜けられるのか。朝起きるのでさえ苦痛を伴うこの毎日を。それでも、赤ん坊の記憶を抱いて生きていくしかない。
そのときの「私」の希望はただ一つ、「私」のような体験をした人がその後どのように日々を歩んでいったのか。それを知りたかった。それだけだった。
日々克明な日記をつけていた筆者が、そのときのことばを再編集。情けない弱音も、失意の中の小さな笑いも、黒い気持ちもそのままに。そしてリアルで切なる手記ができました。妊娠経験のある女性の、実に41%(※)が流産や死産を体験しているという現代において、かならず誰かの心の拠り所になる、これはそんな本です。
※NHK福岡「九州沖縄インサイド」(2010年9月24日放送)より
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