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言語学は難しそうで実は難しくない。なぜなら言語の分析装置である理論が「広がり」と「深み」を見せているからだ。非変形生成文法の一つである自律モジュール文法(AMG)理論が、日本語の形態と統語の分析に対して有効であることをすでに証明してくれた著者。次はゴールとなる「意味」の文法に分け入る。日英語を対照し、主語繰り上げ、コントロール、数量詞、テンス、発話行為、モダリティの意味をつまびらかにする。言語の話し手と聞き手は、文を作ったりその意味を理解したりするのにさまざまな語を身につけている。語の発音、語形変化、文の構造内での使い方、語の意味…。語が連続すると規則性が現れ、規則性に縛られる。わたしたちが日常生活の中で自然に身につけた「語の森」の広がりと深み、そして神秘性さえもが、著者の分析によって次々と明らかにされる。著者渾身の集大成となる本書は、次の研究テーマである「コミュニケーションの現場における意味のやりとり」へとつながっていく。
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