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「遠距離恋愛はなぜ生まれるのか?」―それが本書の地理学と何の関係があるのか。そう思われた方がいらっしゃるかもしれません。じつは関係があります。地理学は空間の科学です。「場所」や「地域」をキーワードにあらゆることを分析します。自然環境はもちろん、人が作り上げた文化や社会にまつわる出来事や現象についても「どこで起こっているか」「なぜそこで起こっているか」を明らかにしていきます。冒頭の「遠距離恋愛」も場所と人の空間の移動が関わってくるので、当然、地理学的な見地から分析することができるのです(詳しくは本文で)。本書は、他にも「近郊の街はなぜ若い人が多い?」「ビール工場はなぜ街の中にある?」など、社会や文化、経済に関わる、いわゆる「人文地理学」の基本的な考え方や知識を紹介し、具体的で身近な事例を通してわかりやすく解説しました。
目次
第1章 暮らしの中の地理学
1 遠距離恋愛はなぜ生まれる?(空間の隔たりの地理学)
2 味噌汁を飲むと温暖化が進む?(貿易の地理学)
3 近郊の街はなぜ若い人が多い?(人の数と移動の地理学)
4 多国語アナウンスが意味するものとは?(ダイバーシティの地理学)
5 ビール工場はなぜ街の中にある?(ものづくりの地理学)
6 都心部で工事が行われているのはなぜ?(人の住む場所の地理学)
7 人生いろいろ住む場所あちこち(行動の地理学)
第2章 社会の課題に取り組む地理学
1 充実した余暇を過ごす(観光の地理学)
2 地域に活力を取り戻す(地域おこしの地理学)
3 人と環境の関わりを問う(地理学と環境)
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