呼吸器疾患の鑑別診断ー「基本画像パターン」,「病態」,「経過」ー
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呼吸器疾患の診療において、画像検査は一つの大きな柱である。モダリティの発展と普及により、今や画像診断の知識は呼吸器内科医にとって必要不可欠なものとなっている。なかでも、初学者にとってまず必要となるのは胸部単純X線写真とCTの基礎知識だが、系統だって学ぶ機会は必ずしも多くはない。学生や若手医師への胸部画像検査に関する教育の質と量は地域ごと・施設ごとに大きな差があり、個人の努力に任されている場合も多く見受けられる。結果として読影手順や使用する用語が異なることとなり、コミュニケーションに齟齬が生まれ,ディスカッションが活発にならなくなってしまうように感じている。
そこで本特集では、初学者が学びやすいよう「I.総論」で「胸部単純X線写真とCTの基礎知識と読影法」と、画像診断の上でも不可欠な「疾患経過」ついてわが国のエキスパートにご解説いただいた。正確な用語と解剖学的知識、さらに読影の手順について、日本のみならず世界標準の内容が記されており、これらのツールを用いて若手医師でも自信をもって多くのコミュニケーションを行っていただければ幸いである。また、実際に患者の診療にあたる医師には疾患経過を把握できる特権があり、より正確な診断や予測に結び付ける義務がある。本書で是非わが国トップの臨床医の技を知り、日々の臨床に結び付けていただくことを願う。
次に「II.各論」では基本画像パターン別に項目を立て、それぞれのパターンの成り立ちとチェックポイント、そして疾患経過を軸とした鑑別疾患を挙げていく、という構成にした。私自身は研修医時代に上司に薦められ『ハイツマン 肺の診断 X線所見と病理所見の相関』(メディカルサイエンスインターナショナル)を読み、感動して画像診断に興味を持ったのだが、本書でも同様に単なる疾患パターンからの鑑別診断にとどまらない様な企画にしたいと考えた。各論の各項目についても、わが国をリードする方々にご執筆を依頼させていただき、非常に実践的かつ病態生理への想像力を掻き立てるような充実の内容になったものと思っている。
若手医師が本書を片手に、画像を読影しながら鑑別診断を行い、かつ病態生理にも思いを馳せていただければ、これ以上の幸せはない。
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