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ネット社会化がもたらすのは自由だろうか、束縛だろうか。
インターネット利用の拡大は、個人の自由を拡大すると考えられてきた。しかし同時に、GAFAのようなグローバルなネット企業による新たな支配や、SNSによる個人間の相互監視社会化といった新たな束縛が生まれている。ネット社会化による際限のない自由の拡大が逆説的に束縛をもたらすという矛盾のなかで、自由であることはどういうことなのかが、いま改めて問われている。
ある人の自由は、その人が存在する地域の「地理的条件」によって物理的に束縛されている。本書では、インターネットの利用がいかに地理的条件から束縛され、あるいはそれを克服できるのかを、ツーリズムとITベンチャー産業に関する地理学的なフィールドワークによって実証的に探究する。これによって、抽象的な自由論にとどまらず、地域における現実の人々の行為から、自由のリアルな姿をとらえる。
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