「イソップ寓話」の形成と展開

「イソップ寓話」の形成と展開

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出版社
知泉書館
著者名
吉川斉
価格
5,830円(本体5,300円+税)
発行年月
2020年1月
判型
菊判
ISBN
9784862853103

「うさぎとかめ」など童謡にも歌われ,誰しもどこかで耳にしたことのあるイソップ寓話。それら一群の話は,紀元前600年頃の古代ギリシアにおいてイソップが語ったとされる。古典古代の時代には弁論術として用いられ,また格言として読まれて,西洋中世を通じ広く受容されてきた。近世以降には各国語に翻訳されるとともに多様な形式で広範に広まり,明治初期の日本に到来した際は初等教育の教材として全国に普及した。
本書は,古代ギリシア語原典によるイソップ研究を基盤として,近世のヨーロッパや日本におけるイソップ集の展開を幅広い視野で考究した画期的業績である。

第1部では,イソップの名のもとに様々な話が集められる経緯を,アリストファネスやプラトン,アリストテレスなどの論述から分析する。特に弁論術や修辞学教育の文脈に着目して,イソップ集の形成が後世に多くの話を伝える媒体となったことを解明する。
第2部では,西洋中世の写本による読み替えや,近世の印刷本に関する議論など,時代の変遷に伴う話の変化と背景への影響を明らかにする。更に英国の事例を参照した上で,近代日本における受容と展開を論じる。明治初期の英語からの訳出と修身教育への導入,当時評判を呼んだ渡部温訳『通俗伊蘇普物語』を具体的に検討する。
専門分野を超えて,中世・近世西洋における古典受容と創作,寓話の誕生,国民形成と初等教育,西洋文化の日本への移入など,多領域にわたり有益な視座を提供する。

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