補蛇落ばしり物語

補蛇落ばしり物語

出版社よりお取り寄せ(通常3日~20日で出荷)
※20日以内での商品確保が難しい場合、キャンセルさせて頂きます

出版社
ぷねうま舎
著者名
中嶋隆(国文学)
価格
1,760円(本体1,600円+税)
発行年月
2020年1月
判型
B6
ISBN
9784910154015

時は江戸宝永年間、富士山大噴火と大地震の巷から船出した三度の渡海の物語──西方浄土に向けて、僧を小舟に閉じ込め、熊野灘の荒海に流す、世に名高い補陀落渡海?末。

 果たしてそれは、大破局の地獄絵から衆生を救う捨て身の行たりえたのか。親殺しの汚名と、裏切りと、人肉食の破戒……俗世の底の底をうごめくものたちが、渡海のはての仮死の境で目にしたものとは。

 生きとし生けるもの、ことごとくに仏性が具わる。世間知を破り、人間の条件すら踏み抜いたとき、そこに光と呼び声が……。

 小説・破局をくぐる信と愛と光と。



「あとがき」より

 私は、 ……古代・中世の補陀落渡りを、元禄末・宝永期のこととして、この物語を書いた。市井の人々の生命と信仰とが、そこ に凝縮していると考えたからである。この時期には、小田原城が倒壊した元禄大地震、四国・近畿に大被害を及ぼした宝永大地震、さらに富士山噴火と、天変地異が続いた。未曾有の大災害のさなか、信仰心を持ち続け、煩悶しながら生きた人々が、この物語の主人公である。

お気に入りカテゴリ

よく利用するジャンルを設定できます。

≫ 設定

カテゴリ

「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。

page top