取り寄せ不可
誰も愛さないと彼は言った。
愛は心を蝕み、地獄を味わわせるからと。
ヴェネツィアのホテルの客室清掃係として働くローザは、
カーニバルに沸く街で、ヴィットリオと名乗る男性と出会った。
彼に誘われるまま訪れた宮殿と見紛う屋敷では、華やかな宴が。
瞬く間に夢の世界へといざなわれ、彼女は身も心も捧げた。
翌日、祖母の形見のイヤリングを忘れてきたと気づいて、
昨夜の屋敷を訪ねたが、ヴィットリオには会えずじまいだった。
数週間後、ローザは妊娠に気づき呆然とする。
どうしよう? もうきっと彼には二度と会えないわ……。
だが、イヤリングを手に現れた彼は驚くべき身分を明かす――。
純潔を捧げた男性はなんと一国の皇太子でした。彼はローザの妊娠を知るや、「一刻も早く世継ぎが必要だ」と言ってプロポーズ! けれど、そこに愛は一片もない――彼は愛を信じないばかりか、誰も愛さないと豪語し、ヴェネツィアの夢の夜は幻と消えたのです。
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