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私たちが言葉を理解し話すことができるのは、脳内で言語情報の処理がすみやかに行われているからである。では、言葉は脳内でどのように表象され処理されているのだろうか? 脳損傷を受けた方が示す言語機能の問題を検討して、この疑問に取り組もうとした研究者たちが中心となり、1984 年学術誌Cognitive Neuropsychology (「認知神経心理学」)が発刊された。この学問領域において、「二重解離」(課題A と課題B の成績において、ある患者さんではA が保たれB が障害されるが、別の患者さんではB が保たれA が障害される現象)が脳内の認知過程を解く鍵とみなされた。そのため、1980 年代から報告された「名詞/動詞の二重解離」の症例研究は、夥しい数にのぼる。こうした研究は、物品/動作を表す単語object words/action words の表出を求める呼称課題の結果に基づくものが殆どである。しかし呼称は意味処理をまず必要とする課題であるため、物品/動作を表す単語の意味理解課題でも二重解離が生じるのかどうかを検討することが、きわめて重要となる。もし、理解において呼称と同様の二重解離が認められるならば、脳内の言葉の意味表象について示唆が得られるからである。さらに、同一の刺激語を用いた「物品と動作」の理解/表出の評価は、的確な呼称セラピーをデザインするために必須である。こうした観点から、「物品と動作の理解検査」が開発された。
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