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日本の文学作品とその映画
一般に原作が優れていればいるほど、その映画化が原作を凌ぐのは
難しいとされている。
名立たる文豪たちが活躍した二十世紀は、サイコロジーとその応用が盛んな
時代だった。
谷崎、川端、三島、乱歩の小説に表れた
SM嗜好、人格分裂、母性への固着は、フロイトを始めとする精神分析学者が、
その原因を明らかにして人間の理解を深めようと苦心してきたテーマでもあった。
日本近代の文学者たちは、その欧米経由の精神分析を使用し、日本人らしさ、
日本人のアイデンティティを見定めようとし、ほの暗い日本家屋の闇にも
似た人間の暗い部分の描写と精緻な分析を推し進め、人間存在の「陰」の部分
へのまなざしを深めていった。そこに、外国の映画人たちは深く共感したに
違いないのである。
本書は、陰影礼賛に満ちた文豪の小説とその映画についての理解を、
さらに深めるための批評集である。
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