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〝記録〟のための板書から
〝論理的思考ツール〟としての板書へ
学級全体で考えを共有することのできる、大切な場としての黒板。
授業を〝記録〟するだけではもったいない!!
黒板は、今も昔も変わらずに教室に設置されている重要な学習道具です。
国語授業では、子どもから出される様々な感想や考えを記録・整理し、学級全体で考えを共有するという大きな役目を担ってきました。
下記のように、子どもの意見を丁寧に整理して記録した板書は、そのまま子どもがノートに写し、学習の成果を目に見えるものにしてきました。
授業を整理し、記録するという行為は非常に重要で欠かせないものです。
しかし、
どの授業でも同じような板書をしていてもよいものなのでしょうか?
ねらいを達成するために、もっと有効な板書の形があるのはないでしょうか?
――このような国語授業の板書への問題意識をもとに、本書は編まれました。
本書では、授業のねらいに沿った授業づくりのためには、板書も見直すべきではないかと考え、子どもの「思考」や「気付き」を大切にした「立体型板書」を10のバリエーションに整理しました。
〝論理的思考ツール〟としての「立体型板書」
「立体型板書」は板書を通して子どもの思考を促し、新たな気付きを生み出すことを目的としています。
つまり、黒板に書かれた内容をもとに新たな考えを形成していくように仕向けています。
本書では、特に育てたい「論理的思考力」を「比較・分類」「関連付け」「類推」の三つに整理し、それぞれの思考を活性化するためのしかけが「立体型板書」には仕組まれています。
「立体型板書」の10のバリエーションは、常に三つの論理的思考力と結び付いています。
10のバリエーションを授業のねらいに合わせて組み合わせて使用していくことで、従来の〝記録〟のための板書のみの授業から脱却し、〝論理的思考ツール〟としての板書を獲得することができます。
誰でも明日からできるようになる! 「立体型板書」の全て
黒板を論理的思考ツールとして活用するという言葉に、「ぜひやってみたいけれど、なんだかハードルが高そう!」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、安心してください。「立体型板書」は、字や絵の上手い下手は一切関係なく、「授業のつくり方」をちょこっと変えてみませんか、という授業づくりの提案の一つです。
本書では、10のバリエーションをさらに抽象化し、基本的な枠組みをお示ししています。
その枠組みに当てはめるだけで、あなたの板書も「立体型板書」にぐっと近付きます。
また、実際の教材に即した27の板書の実例を掲載しています。
実例を参考にすることで「立体型板書」を具体的にイメージでき、そのしくみやポイントがより分かるようになっています。
本書を参考にして、ぜひ「立体型板書」
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