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日本語のテンスと叙法に関して、現代語研究および歴史的研究のそれぞれの観点から興味深い現象を選び、記述あるいは説明を試みる。〈テンスの対象は、述語が描く外的事態の時ではなく、外的事態の観察可能時である……観察可能時とは、話者が実際に、または想定の中で外的事態を観察する時のことである〉、〈中古語では、叙法が確言である場合、命題の時が発話時に対して以前、同時、以後のいずれであっても同じ形式が用いられ、テンスが認められない〉、〈「活用語」 の 「未然形」 に後接する 「ば」 と、同じく 「已然形」 に後接する 「ば」 とが、同一の 「接続助詞」 でないことを示す〉あらゆる先入観を排し、日本語における事実の観察に徹する。
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