U40世代が描く心不全診療の現状と未来ー基礎研究を識り、臨床を素心深考する
" 心不全患者数が爆発的に増加するなか、治療選択肢も新規内服薬、カテーテルによる弁膜症治療、植え込み型補助人工心臓、心筋シートなど多岐にわたり、複雑化している。
そのようななか、臨床医は現場で使用可能な知識や患者の救命に不可欠の技術を得ることに時間、労力を要し、背景に存在する病態を学ぶことが難しい現状があるように思われる。
本書は、同様の立場で心不全臨床の第一線で働く執筆者が,既存の知識を整理することで課題を明らかにし、基礎研究者の見地から課題に対しての病態生理についての知識を上書きすることにより、経験則でなされてしまう傾向にある心不全診療を振り返り、考える契機とすることを念頭に企画した。
内容は心筋症 (拡張型心筋症、肥大型心筋症、虚血性心筋症)、がん治療関連性心血管障害、たこつぼ症候群、心アミロイドーシス、劇症型心筋症、肺高血圧症などの疾患群および、脳(自律神経)、腎臓、肝臓、腸などと心臓の臓器連関について、それぞれ臨床および基礎から執筆いただいた。
さらに2020年の現在、共有しておきたい知識として弁膜症性心筋症に対してのTAVI, MitraClipを臨床から、近未来の治療としての心筋再生医療とゲノム研究について基礎から、病理所見でみる心筋症のreversibilityの予測について心臓病理の視点から執筆いただいた。
各疾患のreviewとしても非常に充実しているが、基礎の見地で裏打ちされており、臨床を素心深考(飾りなき純粋な気持ちで深く考える)するための良書が完成したものと自負している。多忙ななか、執筆に尽力いただいた先生方への感謝の念に堪えない。"
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