国境の村

国境の村

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出版社
ふらんす堂
著者名
くにしちあき
価格
2,640円(本体2,400円+税)
発行年月
2019年11月
判型
四六判
ISBN
9784781412337

◆第一句集



国境の村の魔除けのたうがらし

勤勉な汗の匂ひとすれ違ふ



少女のころから フランス語とフランス文化にしたしみ、グローバルな視野を育ててきたちあきさん

日本の風土と生活に根を下ろした今、独自の感性とスタイルを備えたちあきさんの俳句が育ちつつある――

(帯・行方克巳)



◆行方克巳抄出

春風といそつぷ橋を渡りけり

マフラーと詩を贈らるる誕生日

寒夕焼け口中にふと鉄の味

迷ひつつ紋白蝶のまだ迷ひ

コクリコや恋知り初めし頃のこと

青胡桃ひしめき合つて尖がつて

栗割ればモンマルトルの匂ひ立つ

勤勉な汗の匂ひとすれ違ふ

国境の村の魔除けのたうがらし

群れながらてんでばらばら夜の金魚

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