享保雛

享保雛

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出版社
BookWay
著者名
青木敬
価格
880円(本体800円+税)
発行年月
2016年6月
判型
B6
ISBN
9784865841077

いたずらに齢を重ね、いつしか米寿を迎える事になった。誕生日は、昭和二年十二月八日である。暦の上では八十八年生きてきた事になるが、実感は沸いてこない。

幼いときにはジフテリアを患ったりして病弱であったので、米寿を迎える事ができるなんて、夢にも思っていなかった。

このたび、米寿の記念にと、二人の子供が、句・歌集を作ってあげようと言ってくれた。予期しない事だったが、その気持ちに甘える事にした。句歴、歌歴共に浅く、他人様にお見せできる程の作品群ではない事を承知の上でである。

四十年にわたる教職生活を、昭和六十四年に退き、嫌いではなかった百姓と、幾つかの役職を、妻の助けを得ながらなし遂げてきた。

その矢先、平成八年、妻が病苦の果て他界した。その日から独り暮らしが始まった。独りの寂しさを紛らわせるため、ゴルフを始め、俳句や短歌を作って心の空白を埋めた。

独学では上達は望めないし、淋しさは埋められないと、仲間をあつめ句会を立ち上げる事にした。公民館の俳句教室である。平成十四年であった。農繁期を除いて月一回、年六回のささやかな取り組みではあったが、面白かった。時移り、人も替わったが、今も連綿と続いているのは嬉しい。始めた頃の指導者、杉田梧葉先生に代わり、指導者の立場に立たされたのを契機に、平成二十年年末より山日文芸に投稿を始め、もともと好きだった短歌の投稿も、ほぼ同時に始め今日に至っている。

この句・歌集は、山日文芸に掲載された作品を中心に編集してある。拙い作品に眼を通して頂いた選者の、短歌の三枝昂之先生、俳句の保坂敏子先生に、心からお礼を申し上げる次第でございます。

なお、この句・歌集には、毛色の変わった童話を載せているが、この童話は五十年程前、玉宮小学校に勤務していた時に作ったもので、実在した乞食を素材にした「野花」と言う創作である。

年老いた父親に、生きてきた証をと、二人の子供の愛情によって、思いがけない勲章を頂いた気分でいるが、これも、我が儘の私を許して下さった近隣の方々、教え子の皆様、ゴルフ仲間、句会の方々、友人の皆様のおかげと感謝を申し上げ、この一片の詩を、亡き妻に捧げたいと存じております。

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