死と死後の世界をどう認識し、いかなる葬送儀礼を執り行って送り出すのか。
死者と生者との関わりをいかに取り結び、どんな供養をいつまで続けるのか。
そもそも死とは恐れるべきものか、喜ぶべきものなのか──。
死に対する考え方は、世界の各民族・宗教によってさまざまです。
輪廻転生の考えに基づいて遺体を「器」としか捉えていない人びともいれば
火葬など遺体が損壊されることは許されないと考える社会も存在します。
「あの世」の存在を認め、死後はそこに行き
特定の時期に「この世」に戻ると考える社会もあれば
来世での復活までは死者はお墓で待機していると考える民族もいます。
こうした死に対する多様な考え方とそれに基づく弔いの方法はすべて、
個人では受け止めきれない人の「死」という社会的喪失を
いかに受け止めて乗り越えてゆくか
その知恵と方法論が蓄積され結晶化されたものだと考えることができます。
本書では、日本、ヨーロッパ、アフリカ、インド、中央アジア、東南アジア、
ミクロネシア、極北地域などの各地について
仏教、イスラーム、キリスト教等の教義に基づく弔いのありようと
死生観・来世観を比較して観察し
世界の各地に暮らす人びとが、全生物に共通して訪れる「死」をいかに受け容れ
乗り越えているのかを学びます。
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