寺院は,古代日本の社会・国家そして文化を考究するための豊かな歴史情報の宝庫だ.六世紀末の飛鳥寺の創建に始まって,律令国家の形成と歩を共にしつつ,奈良・平安時代へと独自の展開をとげていった古代寺院の多様な実像を,文献史学・歴史考古学・美術史学・建築史学の最新研究の成果から明らかにし,後代に及ぼした影響や歴史的意義を論じる.
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