版画芸術 No.186(2019冬)

特集:細密銅版画 線刻の魔術師たち

版画芸術

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出版社
阿部出版
価格
2,200円(本体2,000円+税)
発行年月
2019年12月
判型
A4
ISBN
9784872425628

巻頭特集:細密銅版画 線刻の魔術師たち
「細密画」とは、細部まで緻密に描かれた小型の絵画のことをいいます。16世紀の西洋で「小型の(ミニヨン mignon)」という語と混合して、写本の挿絵や装飾文字、装身具などに描かれた小型の絵を指す「ミニアチュール」の訳語とされるようになりました。ミニアチュールというのは、はじめは朱色の鉛丹(ミニウム minium・羅)で描かれたことに由来しています。
 細密画は文字通り「細部まで緻密に描かれている」ことが前提となりますが、その場合、「線描」によるディテールの描写が決め手となります。すると、それを描くための道具はペンや鉛筆、より鋭く硬質な線描を得意とする銅版画が主流となってきます。
 本特集では、エッチングやエングレーヴィング(ビュラン)技法を主とする線刻による銅版画を「細密銅版画」として紹介します。その手数の多さから、時に職人的、超絶技巧という言葉で片付けられてしまう細密銅版画ですが、現在活躍している若い銅版画家の中には、あえてその技法に取り組んでいる者も少なくありません。本特集では4章に分けて、今現在、細密銅版画を制作している日本の作家と、そのルーツとなった西洋の歴史について紹介しています。
 第1章「今 注目される若き細密銅版画家」では40代以下の作家4名を取り上げ、各々の細密銅版画の技法や表現のこだわり、作品のテーマについてインタビューを行いました。第2章「細密銅版画家傑作選」では、ベテラン作家5名と、これまで小誌に登場する機会が少なかった作家8名の、合わせて13名の作品を、3つの質問への回答とともに紹介します。第3章「細密銅版画のルーツ」では、アルブレヒト・デューラーに始まる16世紀以降の西洋の、特に細密描画によって制作された銅版画の流れを紹介し、第4章「現代欧州の細密銅版画家たち」では、1970年代以降に活躍したヨーロッパ・東欧の作家、フィリップ・モーリッツやニコライ・バタコフらの作品を掲載します。
 細密銅版画というテーマの通り、密度の濃い特集です。是非じっくりと誌面に顔を近づけて、緻密な線の織りなす迷宮を堪能してください。


掲載作家:池田俊彦、謝敷ゆうり、齋藤悠紀、増田奈緒、坂東壮一、久保卓治、蒲地清爾、尾﨑ユタカ、林 由紀子、片岡外志子、馬場 恵、生熊奈央、藤田典子、木村遥名、初田有以、山根一葉、雨宮ひかる
マルティン・ションガウアー、アルブレヒト・デューラー、ルーカス・ファン・レイデン、ゼバルト・ベーハム、ジョルジョ・ギージ、ピーテル・ブリューゲル(父)、ジャック・カロ、ヘンドリク・ホルツィウス、コルネリス・ホイベルツ、ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージ
フィリップ・モーリッツ、ニコライ・バタコフ、カロル・オンドゥレイチュカ、カレル・デメル、エリック・デマジエール

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