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正史『三国志』を基本としつつ、時に『三国志演義』を取り上げるバランスのとれた記述をとおして、「三国志」世界の重要なポイントを知り、乱世を生き抜いたヒーローたちの知恵に学ぶ。
著者は、三国志学会会長を務めた東洋史学者。
解説は、『正史三国志』『三国志演義』の翻訳をはじめ三国志関連の多数の著作をもつ中国文学者。
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……「三国志」世界のめざましい事件や主要人物の動きが、時系列を超えて網羅的に盛り込まれており、乱世に生きる人々の各人各様のイメージが乱反射する面白さがある。
こうして縦横無尽に「三国志」世界を探求しながら、そのドラマティックな展開のポイントをおのずと明らかにしていることが、本書の大きな魅力だといえよう。
(「解説」より)
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中国でも日本でも、三国時代に対するなみなみならぬ興味が持たれており、おそらく本書の読者の皆さんも、それぞれに「三国志」に対するイメージを持ち、あるいは登場する人物に好悪の感情を抱いておられることであろう。私はこうしたイメージや感情が、本書によってさらに大きくふくらんでいく機縁になれば幸いだと思っているし、またこうしたイメージや感情をこわしてしまったのではないかとも恐れている。
本書は陳寿の『三国志』を中心に書き進めたが、折にふれて裴松之の注に引用されたものや、『三国志演義』でどのように脚色されているかといったことにも触れてみた。いわばパン種と、でき上ったパンを並べて見たわけだが、パン種にはパン種の、パンにはパンの、それぞれにふさわしい書き方で、人間の生き方をあらわしており、時間を越えて現在の我々に迫ってくるものを感じた。
(「あとがき」より)
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