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"機械系学科の学生にとって重要な関数論について正しく理解できるよう,関数論の数学的基礎をおさえたうえで流体力学や熱力学への応用を学び,最後に本論を補うかたちでベクトル解析などについて理解を深める三部構成となっている。
★読者対象★
本書は機械系学科向けの関数論入門書であると同時に,企業で日々設計に携わっているエンジニアの方,機械構造設計の研究をされている方,あるいは,もう少し普遍的な原理から現象を捉えてみたいと思っている方などを対象にした関数論の初等的な解説書である。
★書籍の特徴★
本書の大部分は,近代数学の父といわれるAugustin-Louis Cauchy(コーシー,1789~1857年)により確立された内容である。Cauchyは解析学全般の厳密な形式化を行い,Cauchy-Riemann の方程式,Cauchyの定理,Cauchyの積分公式,Cauchy列,Cauchyの収束原理等々,Cauchyの名がついた定理や原理は枚挙にいとまがない。生涯に執筆した論文数は,じつに789にものぼっている。狂信的なカトリック信者であったCauchyが,2019年4月15日(現地時間)大火災にみまわれたノートルダム寺院に足しげく通ったであろうことを思うと,200年以上の歳月は経ているもののごく身近に感じられる存在ではある。
機械系の学生やエンジニアにとって,流体力学や熱力学は身につけるべき必須の学問分野である。これらの分野で展開される複素ポテンシャルにおいて,関数論の正則関数や等角写像の概念が重要な役割を果たすのである。しかし,わが国の工学部での数学教育においては,関数論がやや軽視されがちな感は否めない。そこで, 著者らはこれらの流体力学や熱力学の専門科目へスムーズにつながるような内容の構成を計った次第である。
具体的には,工学部機械系学科の低学年が初めて複素数関数を扱うときに混乱が生じないように,まず,応用を前提とした基礎を解説し,そのうえで流体力学と熱力学への関数論の展開にページを割いた。一般の数学書が重点的に書いている積分論や解析接続などについては,必要最小限の解説にとどめた。本書は3部構成であり,それぞれ,I. 関数論の数学的基礎,II. 流体力学と熱力学への応用,III. 付録(本論の内容の補遺)である。応用上,正則関数の等角性はきわめて重要な位置を占めており,この部分に紙数を割いた。
【章末問題と解答】
各章の末尾には章末問題を施した。読者はこれを解くことにより,理解を深めることができるであろう。解答はコロナ社のホームページに掲載する予定である(現在準備中)。"
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