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小学4年生の渉はおばあちゃん子。町内会のお祭りの打ち合わせの日、勇気を出しておばあちゃんの失敗から生まれたイチゴソースの「うっかりスパゲッティー」をメニューにしたい、と提案した。すると、同じクラスになったばかりの真奈もお兄ちゃんが作ったグラタン風の「かみなりスパゲッティー」を、ユジュンとジーナは韓国海苔とタリアテッレで作る「カンタリアン」を提案し、試食会に用意することになった。3つのスパゲッティーはどれもレシピなしで作ったオリジナル。偶然できたキセキのスパゲッティーだ。
渉は年老いていくおばあちゃんが心配だし、サッカークラブの仲間ユジュンともふとしたことから気まずくなったし、どちらにも自分の気持ちがうまく伝えられない。
真奈は初めてクラスがいっしょになった、イタリア人父と日本人母の娘、ジーナのようにハキハキと物が言えず、悩んでいた。韓国人のユジュンはサッカーのポジション決めのときにライバルに言われたひと言に傷つき、ジーナと悩みを共感しあっている。
スパゲッティーにまつわる想いがからまって、それぞれの気持ちが重なっていき……。自分の気持ちを伝えることのたいせつさ、家族や友だちへの思いが伝わる1冊です。巻末には、3つのスパゲッティーのレシピ付き。
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