日本の農山村が直面している三重苦は、環境・資源管理、経済、社会の領域にまたがっていると本書は指摘する。一つは、農業の資源管理を担う人材の不足。もう一つは、兼業農家を営む経済条件の悪化。最後に、過疎と高齢化による活力低下。これらがもたらす三重苦は、それぞれが複雑に絡み合い、農山村を窒息死させようとしている。解決の道筋として、広域経営法人や集落営農法人の活動に注目する一方で、妥当な政策的支援を受けることの必要性を説く。「社会的共通資本」である農と農山村の持続可能性を守り抜くために、ヒトと地域、国は何ができるか、そして何をしなければならないか。農と商工・福祉の連携から食料産業クラスターの形成、JA直売所の取り組みまでと豊富な事例を取り上げ、農業再生の可能性を力強く示す。
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