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「治療構造論は,狭義の心理療法を超えて,あらゆる臨床場面に適応可能な認識論となる力を持っているし,面接関係のあらゆる局面において幅広い視野を提供してくれる汎用性を備えた方法論なのである。そして私は,かくも幅広い職域において,かくも多様な心理臨床の実践が求められるようになった今のこの時代において,その多様性に翻弄されることなく,本務を見失うことなく“,一本筋の通った”心理臨床の実践を志す人たちにとって,治療構造論こそが最も基本的な拠り所になるものだと考えている」(本書「はじめに」より)
この本は,故 小此木啓吾が提唱した「治療構造論」に新しいアイデアを盛り込み,時代に合わせて大転換を図った著者オリジナルな理論を,長年の臨床実践と多くの事例,文献をもとに詳解したものです。
教条主義と誤解されることもある治療構造論を,もっと中立的な方法論として整理し直し,密室だけで終わることのなくなった心理支援を汎用的に支える基礎理論とする,リアルな現場感覚をもとに,第一線の臨床家による,公認心理師時代の新しい心理支援の方向性を見出す必読の1冊が生まれました。
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