取り寄せ不可
●マーケットデザイン(市場設計)の幅が広がる
1990年半ば以降、日本では翻訳書の出版が相次ぎ、2000年代からは日本の学者による出版も増えてポピュラーになった「ゲーム理論」。相手の利得を探りながら自分の選択を行うという行動は、「戦略論」というタイトルの本にも取り上げられ、経済学を超えて幅広く知られるようになった。
一方で、2012年にアルビン・ロスがノーベル賞を受賞した最大の成果である「マッチング理論」は「自分も選ぶが、相手からも選ばれる」というところに、特徴がある。ロス教授の『Who Gets What』にもあるように、学校選択、就活、臓器移植など、様々な分野で応用が利き、マーケットデザイン(市場設計)の幅が大きく広がった。
●ゲーム理論6:マッチング4
本書は、共にマーケットデザインの分析ツールである「ゲーム理論」と「マッチング理論」を橋渡しする。多くの人が知るゲーム理論は、最新の理論を入れて解説。比較的新興の「マッチング理論」については、著者もかかわる日本の入試制度改革などをはじめ、様々な事例を盛り込む。この分野は日本での浸透は遅れており、啓蒙的な意味合いをもつ。
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