〈最も重要な概念の変化について、ここで手短かに要約しておこう。第一に、連続的な、精密に定義される軌道という古典的概念は、不可分な遷移の系列による運動の記述の導入によって根本的に変更された。第二に、古典論の厳密な決定論にかわって、近似的かつ統計的な性格の因果律の概念が用いられることとなった。第三に、要素的な粒子が決して変らない“内在的な”性質をもつという古典論の仮定は、それが周りの環境によってどうあつかわれるかに依存して、波のようにも粒子のようにもふるまうことができるという仮定でおきかえられた。〉(「序」より)
オッペンハイマーやアインシュタインと研究をともにし、量子力学に寄与した物理学者が、1951年に刊行したコペンハーゲン解釈による量子論の教科書。古典論との関係を実験と理論を通じて説明し、定性的・物理的に叙述を展開する。
よく利用するジャンルを設定できます。
「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。