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敵への報復を訴えることばは、果たして祈りなのか
旧約聖書の「詩編」を読む人の多くが一度はつまずき、疑問を抱く〝敵への復讐や報復を祈る詩編〟。なぜそのようなことばが聖書に収められ、祈りとなっているのか? 神は、愛の神ではないのか……? それらの問いに、ドイツの著名な旧約聖書学者が挑み、詩編が祈られた時代背景や状況、テキストの分析を通して、これらの詩編が祈りとなる理由を解き明かす。礼拝や典礼においてこれらの詩編を実際に祈るための提案もなされる。
【目次】
『復讐の詩編をどう読むか』に寄せて(小泉健)
序 言
1章 多面的な問題
人の感情を逆なでし、反感を呼び起こす詩編
『詩編の書』全体に見出される「敵」
キリスト教の名においてなされる抗議と拒絶
人道主義的倫理の名の下になされる反論
2章 採用できない解決法
無視する、あるいは修正する
第二バチカン公会議での議論
1971年のローマの決定
まったく説得力のない議論
敵に関する詩編と復讐の詩編の棘を抜く?
3章 復讐の詩編自体に目を向ける
詩編12編 暴力を振るう人間の暴力に対する抗議
詩編139編 構造的暴力に対抗する情熱的な戦い
詩編58編 公正と正義を求める叫び
詩編83編 人々皆が反対して語る中での、神のための証言
詩編137編 無力な者に残されたもの
詩編44編 暴力の神というイメージの変貌
詩編109編 彼らは理由もなく私に挑みかかる──私は祈りとなる
4章 敵に関する詩編・復讐の詩編の解釈
「生者と死者を裁くために……」
要するにやはり「復讐の神」なのか
ダイナミックな世界のイメージか現実の世界観か
詩的な祈り
復讐の詩編──神の啓示?
5章 実践のための帰結
典礼の祈りにおいて嘆きをとりもどす
その詩が歌われた状況を理解した上で詩編を用いる
敵に関する詩編を正典として朗唱する
新たな祈りの言語への促し
訳者あとがき
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