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とろとろと漆黒の闇に火の生れる轟なるもの火のかたち見ゆ
樹木、昆虫、鳥類が鋭い暗喩となって戦後の日本を、滅亡に向かってひた走る現代文明を指弾してやまない。中田實の、滅びゆくものに向ける眼差しはひたすらにやさしい。(福島泰樹)
月光の会を長年支え続けた中田實の血潮が宿る第一歌集。
以下歌集より抜粋
昭和二十六年十二月三十一日曇天の横浜港 父は「日本」に降り立つ
総革の膝元までのコート垂れ累累続く死者の群れたち
分水嶺の左に流れ日本海へ 分かれの悲しみが滲む手の甲
北緯三十度線の国境よ荒海よ 密航者俺の眼に屋久島聳ゆ
両腕の肘より先の無き夢を ただ夢に見き哭いて見てゐし
炎天の蜘蛛の糸にぞ絡められ八月の?は風邪に揺らぐを
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