山法師

山法師

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出版社
ふらんす堂
著者名
松林尚志
価格
2,970円(本体2,700円+税)
発行年月
2019年9月
判型
B6
ISBN
9784781412078

◆第三句集



山法師は、我が家の前に並木があり、初夏の季節になると清楚な白い花を咲かせ、心が洗われる感じがあって好きな樹である。

この集には山法師を詠んだ句を幾つか載せている。そんなことから迷わず決めた。



平成一五年より三〇年までの七〇五句を収録。



◆自選十五句より

今朝の秋布衣の雀も来てゐたり

黄金田や女神の臥せしあと残る

逆白波の歌碑黄落の直中に

血の汚れは鉄の匂ひの夏逝けり

常念岳は心の秀たり冬晴れて

素潜りの足鰭二枚天高し

綿虫の一つ浮かんではるかなり

亡羊を追ひきし荒野月赤し

広場にガーゼ踏まれしままに凍ててあり

鉄棒に五月の闇がぶら下がる

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