中論
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鳩摩羅什訳『中論』とチベット語訳『無畏註』との梵語原本が同一であることを、全二十七品(章)にわたって検証し、青目釈が『無畏註』の訳と羅什自身の加えた註釈とからなることから、羅什の翻訳法の厳密な考察と彼の中観思想を解明する。併せて、仏護、清弁(観誓)、月称の『中論頌』解釈を対照し、各々の特徴を浮き彫りにする。本書『上』では全四巻中、巻第一、二を収録。
彼ら後継者は龍樹を、初めて一切法の実有・自性を否定した空・中道思想の第一人者として讃仰したが、自性の否定は龍樹の思想の表層にすぎず、彼の思想の真意である真実在が沈黙と教説、不説と説の同時同事であることは、ついに何人にも理解されることはなかった。その龍樹の真意を長年の研鑽に基づいて『中論頌』から丹念に読み解いた、瞠目すべき龍樹思想研究書。
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