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教父とは1,2世紀から8世紀にわたり,信仰と教説の正統性,その生涯の聖性,それと教会の公認を得た人たちである。キリスト教成立以降,キリスト教公認,それに続く神学論争を経て三一神の正統教義確立に至るまで,教父たちはどのような働きをしたのか。
第Ⅰ部では,ギリシア出自の哲学がどのように活用されたか,「ウーシアー」「ヒュポスタシス」「デュナミス」「エネルゲイア」などの概念が新たな意義を獲得し,より豊かな論理的展開を実現した経緯を考察する。
第Ⅱ部では,人間本性の完成を「神に似ること」とみなすプラトン主義的伝統は,「洞窟の比喩」を通してギリシア教父たちに深く影響を与えた。プラトンからプロティノスへ,さらにフィロンからオリゲネス,バシレイオスを経てニュッサのグレゴリオスによりその伝統は決定的な変容を蒙った。さらにアリストテレスの「オイコノミア(家政)」概念から「神のオイコノミア(救済の実践)」への変容や,プロティノスからディオニュシオスとエリウゲナを経てサン・ヴィクトル学派へと継承される神秘神学の流れを検討する。
第Ⅲ部は,4世紀にシリアから小アジアにかけて「メッサリアノイ(祈る人びと)」派という熱狂的な異端信仰が風靡したが,魂の浄化に関して彼らとマカリオスを比較し,彼らの手引き「マカリオス文書」を検討することにより異端運動の複雑な影響の意味を考える。
ギリシア哲学を踏まえ教父を考察した画期的な業績。
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