異文化間交易とディアスポラ

異文化間交易とディアスポラ

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出版社
知泉書館
著者名
フランチェスカ・トリヴェッラート , 和栗珠里 , 藤内哲也 , 飯田巳貴
価格
8,800円(本体8,000円+税)
発行年月
2019年9月
判型
菊判
ISBN
9784862852991

コロンブスの大西洋横断,ヴァスコ・ダ・ガマのインド到達で火蓋が切られた大国による貿易戦争の陰で,商業の民は重要なニッチを奪う激しい競争を展開した。
本書は「小規模なグローバルヒストリー」という手法で1590年代以降イタリアの港湾都市リヴォルノを拠点に活動したセファルディム系ユダヤ人のエルガス=シルヴェラ商会に注目し,18世紀末の倒産に至るまでの活動を13,670通もの商業書簡を活用し明らかにした画期的業績。
彼らは15世紀のイベリア半島から追放されたユダヤ人の子孫で,各地のユダヤ人と繋がる一方,キリスト教徒やヒンドゥー教徒とも信用関係を構築し,地中海のサンゴとインド産のダイヤモンドの取引で成功を収めつつも,予期せぬ失敗で破滅していく。
国家を持たないディアスポラ商人が多くの代理人を介して交易するシステムを,親族間の信頼による利点と限界,メディチ家やハプスブルク家の政治的諸権力との関係,独特な結婚や贈与の仕組みなどを通して考察し,更に互いに全責任を負う伝統的な包括的パートナーシップの実態を解明する。合わせて,委託管理業における情報ネットワークや法的諸制度の役割をも詳しく検討する。
著者は多くの個別史料を収集・検討して,ヨーロッパ近世の商業社会のネットワークが広範囲にわたり生動的に展開していく姿を描き,従来の図式に一石を投ずる。今日のグローバル化する世界で激しく変容している商業交易を考える上でも多くの手がかりを与えるに違いない。

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