取り寄せ不可
義兄が他人の車に衝突して、救助もせず逃げただなんて。
ラヴェンナは、悪夢のような現実に信じられない思いだった。
相手はイタリア領サルデニヤ島の豪族マーク・ディ・クルツィオ。
マークはその事故で亡き妻の忘れ形見を失った。そしていま、
“罪の償いは家族に求める”というサルデニヤの掟に従って、
ラヴェンナに、跡継ぎを産むための犠牲結婚を強いてきたのだ。
言いなりにならなければ、その罪を暴露すると脅されては、
病身の義父のためにも、ラヴェンナは純潔を捧げるしかなかった。
暗く凍てついた彼の瞳から、逃れられなくなるとも知らずに。
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