取り寄せ不可
けがれなき乙女の純情は、
心なき伯爵に踏みにじられて……。
「あなた――あなたがアシャースト伯爵ですの?」
優雅で荘厳な伯爵邸の書斎に通されたローザは愕然とした。
書き物机から立ち上がった背の高い男性も驚いたように動きを止めた。
つい先日最悪の出会いを果たした、あまりにも傲慢で魅惑的な男性――
祖母が姉と結婚させようとしているのが、この人だったなんて。
ローザは勇気を振り絞り、姉には愛する男性がいるのだと告げた。
「わたしはここに……姉の代わりになるつもりで来ました。
あなたがわたしとの結婚を考えてくださらないかと思って」
身をこわばらせて頬を染めるローザを、伯爵は嘲るようにあしらった。
「きみは自分にかなりの自信があるんだな。だが、答えはノーだ」
愛や家庭に興味はないと冷たく言い放ち、ローザを追い返した伯爵。しかし程なく事情が変わり、彼は便宜結婚を申し出ます。淡い想いと傷心を押し隠し、愛なき結婚を受け入れたローザでしたが……。『高慢と偏見』を彷彿とさせる、情感豊かな身分差ロマンスです。
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