終戦から中華人民共和国成立にいたる上海の〈戦後〉を、その時代を体験した人びとの〈模索〉、〈越境〉、〈記憶〉という切り口から描き、戦後上海の多様性に注目した新たな歴史像を提示する。
〈模索〉対日協力者の足跡・資本家の苦悩と選択・民衆の苦難など、中国の人びとが激動期をいかに生き抜いてきたか。
〈越境〉亡命ユダヤ人・租界のフランス文化人・上海に残留した「留用」日本人など、「国際都市」上海における外国人の軌跡を描く。
〈記憶〉戦前・敗戦期の上海体験をテーマとした堀田善衞・武田泰淳・村上春樹らの作品を素材に、戦後における日本人の上海記憶のあり方を考える。
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