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そんな青い水のなかを人も車も動き、それらはすべてこの世のものではないように眺められてくる。とはいえ人工の明りに照らされた列車のなかがこの世のものであるとも言い切れないのだ。窓際にいて、わたしはずっくり濡れている気がする。(「帰途」)
詩心の結晶
「では今宵、わたしも誘われようか。そのひとを探して。あの世とこの世のあわいの闇のなかへ」(「カネタタキ」)。人の生に寄り添う手触りを、抑制された筆致で彫り込む、32篇。『その路地をぬけて』から3年、個人誌「山鳩」に書きついだ作品を中心に編む、待望の新詩集。装幀=清岡秀哉
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