取り寄せ不可
すべては余命短い父のため。
罪なき偽りの、婚約宣言……。
高級デパートチェーンの社長秘書エヴァは、会議の準備中、
服にコーヒーをこぼしてしまい、慌てて着替えをしていた。
運悪くそこへ次期社長のジョスが現れ、彼女は恥ずかしさに息をのんだ。
長年、有能な彼にときめいても、必死に恋心を抑えてきたのだ。
今も平静を装いながら、エヴァが背中のファスナーを上げるのを
手伝ってほしいと頼むと、ジョスは紳士らしく手を貸してくれた。
だが、まさにその瞬間を目撃した彼の父である現社長が、
二人の仲を誤解した様子の訳知り顔で、衝撃の事実を告げる――
じつは自分は末期癌だが、これで安心して息子に会社を譲れる、と。
エヴァが誤解を正そうとすると、ジョスがそれを遮るように宣言した。
「彼女とは真剣な関係だ。じつは、僕たち、婚約したんだ」
母の死後、父に寄宿学校へやられたことが、子供だったエヴァの心に大きな傷跡を残しました。愛し、信頼する人に見捨てられたことで、誰かを愛することに臆病になってしまったのです。そんな彼女を相手に婚約宣言をしたジョスもまた、心に傷を抱えていて……。
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