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現代の「コミュニケーション・ネットワーク論」の先駆者
2006年の企画展示「サン=シモン主義者の時代」(フランス国立図書館)、『サン=シモン全集』(フランス大学出版局、2012)の刊行など、21世紀に入り、再びサン=シモンに関心が集まっている。そこで主導的な役割を果たし、多くのサン=シモン(派)の研究書を手がけたのが、本書の著者ピエール・ミュッソである。「今日の人々はおしなべてサン=シモンの仕事すら知らないという点で一致している。彼の著作は、特に十九世紀のサン=シモン主義運動を通じて大きな影響を与え、現代のもろもろの巨大なイデオロギーの源泉に立つというのに[…]」(「序文」より)。
本書は、膨大な草稿を残し「矛盾の権化」と称されるサン=シモン思想に統一的解釈を与え、師の思想から、第二帝政期の弟子たちの現実的な政策が誕生する瞬間と理路を描き切る。
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