実地診療に役立つ睡眠時無呼吸症候群(SAS)と睡眠関連低換気障害の現況と課題
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健康・医療において、また,健康寿命延伸においても睡眠の重要性が官民ともに取り挙げられるようになってきた。睡眠呼吸障害は不眠とともに睡眠障害の中で最も頻度の高い病態であり、睡眠呼吸障害患者にも不眠が多くみられ、不眠患者と睡眠呼吸障害患者の合併も多い。また、睡眠呼吸障害イコール睡眠時無呼吸症候群と考えられる向きも多く、患者対応に不備を来すこともあり得る。OSAに比較して、頻度は少ないが心不全患者や脳卒中後の患者にみられることが多い中枢性睡眠時無呼吸(CSA)の一種類である、Cheyne-Stokes呼吸(CSB)の有無は予後と関連することが明らかになっている。このように,少なくともOSA、CSAとSRHDの存在を知り、その病態生理に合わせた治療法の選択を行うことは呼吸内科、循環器内科、脳神経内科をはじめ多くの内科領域の医師にとって、重要な課題になってきた。また、SDB(特にOSA)の患者が大きな手術を受ける機会も多くなった。従って、麻酔医、外科医を含めた全ての医療領域に正確なSDBの知識が必要になってきた。
本特集では現在広く普及しているICSD-3に準じてのSDBの分類と、代表なSDBであるOSA、CSBを中心としたCSA、SRHDの病態生理,自他覚症状を解説した。また、SDBの診断に必須な方法論についても学べるようになっている。OSA、CSAと生活習慣病の関連は重要であり、心血管、代謝疾患との関連について解説が加えられている。また、睡眠時無呼吸の治療についても、小児も含めて、機器、口腔内装置、耳鼻咽喉科的治療、減量、体位変換治療法などにつき詳説されている。OSAと不眠はいずれも頻度が高く、オーバーラップすることもあり、また、CPAPなどの機器使用後も出現しうるので、その対応法も解説していただいた。最後に,トピックスとしてSDBと運転リスク、CPAP遠隔医療を含む最近の話題が解説されている。また、指定難病肺胞低換気症候群に関してはSDBの管理が極めて重要なので、その項を設けた。
各執筆者にはこの領域の専門家のみならず研修医、専門医を目指す若手医師、一般医療家にも理解が十分可能な解説をお願いしたので、本特集により得られた睡眠呼吸障害の情報が明日の実地診療に役立てば幸いである。
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