取り寄せ不可
◆第一句集シリーズ/I
三秋の人ごみの中壺の中
壺の中には壺の外の世界が密封されているだけのこと。何となれば壺の外も壺の中も世界のリバーシブルなのである。そこを仙人は、否、俳人は出入りするのだ。但し、中も外も寸分違わぬ世界なのだが、俳人は俳句の分だけ変身するのである。
(佐々木六戈)
◆自選十句
三秋の人ごみの中壺の中
この列は遠足にして能楽堂
卓袱台に昭和の傷や日永し
風花の光のなかを銭湯へ
薫風の大菩薩峠青梅宿
根腐れの向日葵黒き軍かな
まだ青き無花果のなか無数の花
ルバイヤート冠してあるや葡萄園
埋火の灰のうちなる疼きかな
陽炎のなかの旅行き遊行期や
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