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「レジリエンス」は近年、ビジネス書でもよく使われるキーワードである。ビジネスパーソンを対象に、さまざまな苦難に際しても折れにくい、あるいは柔軟なリカバリーを可能にするマインドセットの持ちようを論じている。
本書は、「レジリエンス」を経営学に位置付け、また企業変革の理論として確立することを目指しており、まず第1部において、この概念について、19世紀始めに物理学で使われ始めたところまでさかのぼり、その意味するところを改めて吟味した上で、経営学でこれまで議論されてきた類似の概念を整理している。さらに第二部で複数の事例にあたり、変革を求められたときの組織の対応やリーダーシップのありようを調査する。
本書を通して、かつてグローバルに強い競争力を持っていた日本企業の輝きが喪われたことについて、レジリエンスの検討を通してそのメカニズムを明らかにし、その回復への道筋を描く。 変革能力の維持・涵養への示唆を含む、有用な議論が展開されている。
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